タキオンの庭

SF小説

【SF短編】タキオンの庭-後編-

薄膜の眼差しが覚えるとき画面の奥の「目」は、人間が理解する視線ではなかった。むしろ、それは波形が自己認識を獲得した瞬間の兆候に近い。位相の位相、フィードバックのループ、選択の残滓が互いに共鳴して、漸進的に「情報の塊」を作り始めた。それは外界...
SF小説

【SF短編】タキオンの庭-前編-

午後三時十七分の裂け目霧のように薄く、しかし決して消えない光が空を裂いたのは、午後三時十七分だった。港湾都市ネオ・ヨコハマの湾岸線を走る高速軌道のすぐそば、冷房が効きすぎたカフェの窓に映る世界が一瞬だけ歪んだ。誰も驚かなかった。ここ数年、世...