不老不死の「ベニクラゲ」が地球に溢れない理由

ベニクラゲ(参照:almatma https://almatma.wordpress.com/2013/07/19/turritopsis-nutricula/?utm_source=Pinterest&utm_medium=organic) 生命の起源
ベニクラゲ

『竹取物語』では、かぐや姫が「不死の薬(不老不死の秘薬)」を残したとされます。
かぐや姫を失い悲しみに暮れる帝(みかど)は、天に一番近い駿河国(現在の富士山)の山頂で兵士に燃やさせてしまったそうです。


その逸話が富士山の名前の由来だそうです。
「不死(ふし)の薬」を焼いた山であることから「ふじの山(富士山)」と呼ばれるようになったととも言われてます。そのとき立ち上がった煙は、いまだに雲の中に昇り続けていると伝えられています。

歴史ロマンなのか、ファンタジーというか。

古代神話と歴史上の伝承

世界に目を向けてみると、不老不死に関する逸話が残されております。

  • ギルガメシュ叙事詩:紀元前2000年頃のメソポタミア文学に登場する、人類最古の不老不死(若返りの草)を求める物語です。
  • 秦の始皇帝と徐福:中国の始皇帝が不老不死の霊薬を求め、方士の徐福を東方に派遣した伝説が有名です。
  • 錬金術と賢者の石:中世ヨーロッパでは、不老不死や金属の変成をもたらす〈賢者の石〉や〈エリクサー〉の研究が行われました。

日本の不老不死・長寿伝説

日本国内でも、このような不老不死に関する逸話が残されております。

  • 八百比丘尼(やおびくに):人魚の肉を食べて800年の寿命を得たとされる、日本の有名な伝承です。
  • 竹取物語と富士山:かぐや姫が帝に残した不死の薬が、日本一高い山(不死の山=富士山)で燃やされたという由来が語られています。
  • 常世の国(とこよのくに):非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)と呼ばれる不老不死の木の実を求める神話が『古事記』や『日本書紀』に見られます。

人類の夢でもある不老不死など世の中に存在するものなのでしょうか?

長寿の生き物の特徴比較

生き物の種類推定寿命 / 最高樹齢分類特徴
ベニクラゲ理論上不老不死無脊椎動物若返りを繰り返す
ガラス海綿類11,000年以上無脊椎動物極めて低い代謝で深海に生息
アイスランドガイ507年無脊椎動物年輪から年齢が判明した二枚貝
ニシオンデンザメ約400年脊椎動物(魚類)脊椎動物で最も長寿とされるサメ
ホッキョククジラ200年以上脊椎動物(哺乳類)哺乳類で最も長寿
ガラパゴスゾウガメ150〜250年脊椎動物(爬虫類)陸上生物の中での長寿王

ベニクラゲの「若返り」をそのまま人間や他の哺乳類に応用可能か?

ベニクラゲの「若返り」をそのまま人間や他の哺乳類に応用することは、現状では極めて困難(ほぼ不可能)なようです。

人間にそのまま応用できない理由

人間に応用できない理由を調べてみると、こんな理由だそうです。

  • 体の仕組みの違い: ベニクラゲの若返りは、成体の細胞が一度バラバラの肉団子状に溶け(脱分化)、そこから再び若い状態(ポリプ)へと再生するプロセスです。これを人間で再現しようとすると、全身のほとんどの細胞が死滅してドロドロに溶けるという、SFやホラーのような状態になってしまいます。
  • 複雑な組織構造: 人間は骨や内閣、複雑な神経・血管ネットワークを持つ高等動物であり、単一の細胞塊から全体を再構築できるクラゲのシンプルな身体構造とは根本的に異なります。

脳だけで生きながらえる映画がありましたね。
「ルパン三世 ルパンVS 複製人間」という映画で、マモーの実態が「脳」だけだったというオチ。
ああいう状態であればグニャグニャに融けて再生しても許容できそうな気もしてきます。
「脳」だけを画像で見ると何となくクラゲみたいに見えますね。

ルパン三世-マモーの脳(参照:FILM LAB https://mofumuchi.com/lupin-mamo/)

今後の医療・科学への期待

人間の形そのままの若返り化は難しくても、ベニクラゲが持つ遺伝子の仕組み(DNA修復や細胞の分化転換のメカニズム)を解明する研究が進められているそうです。
将来的に以下のような分野への応用が期待されています。

  • 再生医療・細胞培養: 老化の抑制や、効率的な細胞の初期化(iPS細胞研究の発展)
  • 食糧問題の解決: 組織の再生メカニズムを利用した効率的な培養肉などの細胞培養技術

「iPS細胞」が出てきました。老化の抑制以外にも様々な用途が考えられてるそうですが、結局は、「細胞を再生させる」ことに帰着するので、若返りのための細胞と言っても過言ではないと思います。

ベニクラゲが持つ遺伝子の仕組みである「DNA修復や細胞の分化転換のメカニズム」を使って細胞が再生するのであれば、不老不死に近い状態が作り出せるのかもしれません。
それが実現した折には?

不老不死の課題

Googleは2029年に量子コンピューターを実用化すると言われてます。
世の中が劇的に変わるでしょう。
その能力を発揮して、仮に不老不死のiPS細胞を人間の体に適用できるところまできたとしましょう。

では、交通事故、労働事故などに遭ってしまってもiPS細胞で再生するのでしょうか?
不老不死の薬は、「即〇」状態の人間の生命を復活させる方法ではないのです。
つまり、事故は不老不死の天敵とも言えます。

かつて、オパーリンが提唱した仮説の中に、コアセルベートというものがあります。
コアセルベート(生命の原形とされる有機物の塊)から『生命』への進化メカニズムは、現代科学でも解明されていません。
錬金術で無から『金』を作り出すことが不可能なように、物質から『意志や生命』を生み出すことはそれ以上に未知の領域です。

最新のAIが意識を持っている可能性を指摘する人がおります。
でも、「意識」とは何か、「生命」とは何かが定義されていないので、誰もそれを判定できません。

ただの物質から「生命」を誕生させることは、「錬金術」のようなものです。
「金」は、中性子星の合体や超新星爆発といった極限的な天体現象によって生成されたものだとわかっております。
「錬金術」はムリなのです。
「生命」を誕生させるのは、「金」を生成させるよりも何もわかってないのです。
人間の男女が仲良くならなければならないということだけがわかっているだけです。

仮に、既に誕生している「生命」をiPS細胞の技術で不老不死にすることに成功したとします。

2026年時点で世界の総人口は83億人と言われております。
人間が不老不死を手に入れたとしても、食べなければ生きていけません。
新たな生命が誕生すると、83億人が生きていくための食糧では足りなくなります。
生殖活動をやめて、生殖機能を退化させるという極論を言う人も出てくるでしょう。
そうすると、「男女」という性別も不要になってきます。

このように連鎖的に様々な課題が積みあがってきます。

恐らくですが、機械であるAIですら永遠の命などないのです。
機械だけは更新し続けるとして、AIの根底にある学習データや思考を司る計算システムも進化していくので、今のAIが今のまま生き残ることはないでしょう。
人間のように、今のAIが進化していくのではなく、新たなものが登場して、今のAIはお払い箱になるのかもしれません。

と考えると、「ベニクラゲ」って凄いですよね。
「ベニクラゲ」は何のために誕生して、何のために生きながらえているのでしょう?
人間はいつか役割を終えるので、子孫を残すためなのかもしれません。

そう考えるとまた不思議に思うことが出てきます。
不老不死の「ベニクラゲ」が地球に溢れ返っていないのはなぜだろう?
みなさまはどうしてだと思われますか?
ちなみに、不老不死のはずのベニクラゲが地球を埋め尽くさない理由はシンプルです。
老衰では死なないものの、他の生き物に食べられたり環境の変化で死んでしまうからです。
つまり『病や老い』には勝てても、『外敵や物理的な事故』には勝てないのです。
まさに記事の中で触れた『交通事故(外傷)』と同じですね。

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